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〜西陣の香〜Vol.21 発行日2005/06/02
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「ちょっとだけでいいから、また、買取するさかいに。。。」(文中より抜粋)
こんにちは!きものACT 中西です。
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先日、お送りした 〜西陣の香〜Vol.20 で、
みなさんに「どういったことを知りたいですか?」
と書きました。
これは、私自身が、
西陣の事を書けてたのかな?
呉服業界のこと書けてたのかな?、ということ。
また、初心に戻って、私が書かなきゃいけないのでは?と思うことを
書いた時、
「一方通行では面白くない。」
そう思ったからです。
相変わらず青臭いですが、
ご意見やご感想を気軽にいただけたらと思います。^^v
はてさて、西陣のメーカーの簡単な内情の変遷?みたいなものを
前号で書きましたが、おさらい
------用語の解説:[浮き貸し]--------------------------------------
ほとんどのメーカーは、商品を問屋へ貸します。
問屋は借りた商品を小売店に、またまた浮き貸しします。
小売店は、
売れた商品のみ決済して、売れなかった商品は返品します。
商品は、小売店⇒問屋⇒メーカー へと順繰りに戻ってきます。
簡単に言えば、これが、浮き貸しのシステムです。
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<このシステムの弊害は、商品単価が高くなることです>
理由は、
たくさんの手を経た商品は、売れる売れないにかかわらず、
また、少なからず、汚れなどがついてまわります。
その汚れやしわなどを綺麗にするため、
しみ抜きや湯のしを再度行わなければなりません。
メーカーは、その手間賃を上乗せして、
浮き貸しの場合は、商品単価を高く設定します。
では、買取の場合は、どうか?
再度、検品、整理(湯のしなどのこと)する必要がないので、
そのぶん、安く出荷できます。^^v
問題は、
浮き貸しの場合、この理由で、その少し高い分の単価が、
どんどん膨れ上がることです。
メーカー⇒問屋⇒小売店と、いくにつれ価格も上乗せされていきますからね。
このシステムが、昔からず〜〜〜〜〜と、続いてきたわけなんですが、
もうひとつ、私がおかしいと思ったこと!
どの業界でも、新製品や売れ筋の商品があれば、
「試しにお店においてください」
「売れ行き好調なら、引き続き、お店において取引してください。」
「いいよ、あの商品、売れるから追加で入れてください」
というような会話が、
メーカーと問屋、あるいは小売店の間であるとおもいます。
それが、ないんですよね。。。。
(売れてないという意味ではありません。)
まだ、ここまでなら、「うちでもそういうこともあるよ」
という他業界の方もいらっしゃるかもしれませんが、
(特に薬業界にも、あると聞きます。
使った分だけお支払いというシステム^^)
売れている同じ商品でそれがあるからおかしいと思うんです。
つまり、
Aという商品10反が浮き貸しで行って、2〜3反返ってきます。
売れ行き好調です!^^
次は、10反買取してくれるのかな?と考えていると、
その後、またまた、同じAの商品を貸してくれときます。
このシステムでは、問屋や小売店は、在庫なし、リスクなしで商売ができます。
こんなおいしい商売は、他にはないんじゃないでしょうか?(笑)
メーカーは倉庫ではありません!
このシステムのおかげ(?)で潰れなくてもよいメーカーが、
潰れていったとよくきかされます。
今でも、浮き貸しが根強く残り、
それが商品単価に反映され、
消費者には高いお買物、となる理由のひとつです。(理由のひとつ(笑)
ただ、みんながみんなそういうところだけではありません。
買取で取引してくださり、
安価で消費者に販売されているお店も存在します。
みなさん、そういうお店でお買い物をしてくださいね。(笑)
(自分のとこの宣伝はいいのかい?店長さんw)
<きものACT小劇場>
西陣でのメーカーと問屋、小売店のある会話
問屋、小売店:「お客さんが来るのでちょっと商品かしてえな(京都弁^^)」
(お客さんとは、地方の小売店さんまたは、消費者かはわかりません。)
メーカー:「買取でお願いします<(_ _)>」
問屋、小売店:「ちょっとだけでいいから、また、買取するさかいに。。。」
メーカー:「じゃあ、今回だけですよ(^^i)」
問屋、小売店:「おおきに、ほんならすぐに入れて」
メーカー:「わかりました^^」
----------数日後-----------
問屋、小売店:電話で
「あの商品ひとつ売れたから、取りますわ。残りは返すさかいに、
取りに来てえな。。。」
メーカー:「そうですか、ありがとうございます(^^)ひとつって消費者ですか?」
問屋、小売店:「ああ、そうや、それとな、ちょっと高いさかいに、やすうしてえな」
メーカー:「はい?」
問屋、小売店:「値段があわへんさかいに、もうちょっと安してほしいんや」
メーカー:「納品したときに、あの価格でいいとおっしゃったじゃないですか。」
問屋、小売店:「そこをなんとかたのんますわ〜」
メーカー:「全部とって頂けるんでしたら、安くできますが。。。」
問屋、小売店:「ほんならええわ、ひとつだけ買取りにしといて」
。
。
。
。
この会話の繰り返しが、西陣では、日常茶飯事だと思われます。
少しでも利益を得ようとする問屋や小売店さん。
私は、根っからの商売人ではないので、圧倒されますが、
もし傍からみていたとすると、面白いな〜と思うに違いありません。
でも、今、ここにいるので、あえていうと、
どっちにしても、メーカーにしわ寄せ来るんですよね。
西陣のメーカーのみなさん、負けずにがんばりましょうね。
浮き貸しのないお店が増えれば、メーカーも助かりますし、
消費者にとってもお安く買えるお店が増えるんですから^^
次回は、「○の価格は、何の価格?」をお送りする予定です。
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あ〜と、最後に、
新作銘仙掲載しましたので、ご覧下さい!
http://www.kimono-act.com/goods/meisen/161_180/169.html
お買い得です!
配色違いのもできましたが、処理中です。
ちょっとづつできていくと思いますので、お楽しみに〜
もういっこ、
あおこさんが描いてくださった絵がた〜くさん。。。。
こちらの処理もできてません。どないしよ。。。
すみません、あおこ様<(_ _)>
できる限り早く出しますね〜
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今回の西陣の香をお読みになって、貴女はどう思われましたか?
貴女の貴重なご意見をぜひお寄せください。貴女からのお便りが力になります^^
kou@kimono-act.com または
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発行責任者:西陣の香(中西 康一朗) http://www.kimono-act.com/
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このマガジンは「まぐまぐ」 http://www.mag2.com/ を利用して発行しております
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