模様銘仙を訪ねて PART2〜2004/11/22〜 | |
日曜日と祭日に挟まれた秋晴れの日、太陽よりも早く起きてでかけました。そう、足利へ。今回は、社長のお供です。 新幹線も込み込みで、きっとみなさん、行楽に。。。うらやましさもありましたが、また、渡良瀬川や地元の方たちに合えると思うと心もはずみました。 今回は、今後の銘仙製作や状況についての打ち合わせです。 職人さんとまた会える、心をはずませながらの足利入りでしたが、やはり、銘仙製作の状況はあまり改善されてはおらず、 むしろ、悪い方向かもしれません。 高齢の腕の良い職人さんが、いつまで作りつづけられるか、という問題。 5年先、10年先、果たして、今できる銘仙が同じ質で製作可能なのか、 何十年という年月を経て会得する型枠での染めやほぐし織りの技術ですから難しいのは当たり前です。 製作工程がわかっていたとしても素人の付け焼刃では無理です。 |
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秩父銘仙館 |
足利にも「秩父銘仙を作っていた業者が撤退?」という噂も聞こえてくるそうです。 同じ模様銘仙の産地なだけに、悲しい限りです。出来上がりが。。。、という声も聞こえるのですが、復刻ですから難しいのは当然です。 幸い、うちでお願いしている職人さん(70ん才)は、お父さんの代、銘仙製作をされていて、また、ご本人も一緒に作られていたという程ですから出来上がりは段違いによいと思います。 後継者育成に力を入れられている、秩父銘仙館、歴史的な資料館だけでなく、今後も若手育成にがんばっていただきたいと感じました。う、うらやましい。。。TT |
作業台 |
銘仙型枠 |
明治時代の織物の取引の様子などが描かれている絵です。横長なので4コマとりました。 | |
右から2 |
右から1 |
右から4 明治時代 織物取引之図 (普通は右から見ます。足利織物会館所蔵) |
右から3 |
今では、ほとんど動かなくなった手機 |
戦前、戦中に作られた銘仙のハギレ |
戦前、戦中に作られた銘仙のハギレ(星型) |
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足利銘仙 解し織 |
足利銘仙 半併用 |
生活の洋装化や安価な他の素材の出現で、生産数を落としていった銘仙ですが、再び、現在作れることは、喜ばしいことです。 ですが、それも長くはないと思います。 銘仙に関するお客様からのお話では、「銘仙、今でも作ってるの?」「なつかしいな〜、見てるだけで自分が若返ったような感じがします(笑)」という年配の方から、「かわいいですね〜!」「着てみたい!」という若い世代の方までいろいろです。 実際、着ていたという方からは、「軽くて、着やすく、あったかいから重宝したのよ」というご意見を頂きました。 また、「銘仙を着てお出かけすると、自分が生まれ変わったみたいでウキウキする気分になる」というご意見、 「街やデパートに銘仙を着ていくと、通りすがりの人がみんな振り返って見ていくんです」というものまで頂き、私も嬉しい限りです。 海外で安価な素材で作られた銘仙もどきや銘仙の柄を真似たものが銘仙きものとして市場に出ておりますが、これも、銘仙の柄が良いからに他ならないからでしょう。しかし、本来の手法で作られた質の良い本物の銘仙は、なかなか手に入らないものです。 少量生産の多品種でお願いしている関係で、柄は多くても数ができないからです。 1ロット(6反)だけ作って生産中止したものもあります。そういうものは、今後同じ質で作られることは、まずありません。 プレミアです。 物が大量にあふれる時代のかたすみでなくなっていくものもたくさんあります。 価値あるものが、時代と共に消えていくのは世の常なのかもしれませんが、 50年先、100年先、絹の生産数の減少(生産数は世界的に年々減ってきているそうです)や 安価なポリエステル、合繊素材などを使った着物の普及で、美術館に飾られ、何十万、何百万という価格で取引される、 または、取引不可の古裂として残ってしまうような気がしてなりません。TT 本来の絹の肌さわりの良さを持ち普段着として重宝する貴重な本物の銘仙、西陣織と同じく前途多難です。。。負けないぞ〜! |
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