西陣の香Vol.52から抜粋 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 【紗】捩り織について ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ みなさんが良く耳にされる紗・絽・羅の3種類の生地。 これらは、からみ織もしくは、もじり織(捩り織)とも呼ばれ、 透かし目のある からみ組織 で出来上がっています。 一番最初に 紗 について説明します。 からみ組織を使って出来上がっている生地、といっても ちんぷんかんぷんだと思いますので、説明しますと、 まず、織物は、縦糸と横糸から形成されているのはご存知ですよね。 縦糸と横糸の交差によって、また、その交差の仕方によって、 織物の風合いや色の出方、触った感触が異なるのはご存知だと思います。 (平織・綾織・朱子織など) その基本をご理解頂いた上で、 紗の基本は、縦糸を2種類、横糸を1種類使います。 縦糸2種類というのは、地縦糸 と からみ縦糸 です。 これは、たとえば、すべての縦糸が3000本あると仮定した場合、 奇数本目を地縦糸、1,3,5,7,9,11,・・・・,2993,2995,2997,2999 偶数本目をからみ縦糸、2,4,6,8,10,・・・・,2994,2996,2998,3000 と考えればわかりやすいかと思います。 縦糸のみを見た場合、<こちらの図1をご覧下さい> |
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<図1>地縦糸とからみ縦糸 | ||
ここからが大切! 平織・綾織・朱子織などの場合、 これらの縦糸は、上下して横糸を通しながら、 組織や紋様を織り出しますが(図2をご覧下さい) |
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<図2>三原組織 平織 綾織 朱子織 | ||
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【紗の場合は、縦糸が左右に変化します】 流れを解説しますと、まず横糸が一本通ります。(図3をご覧下さい) |
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<図3> | ||
赤・・・からみ縦糸 黒・・・地縦糸 紫・・・横糸 |
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その後、からみ縦糸のみ、下に引っ張られながら、 横に移動(図4をご覧下さい) |
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<図4> | ||
そこから、上に引っ張り上げられ開口されて、 横糸が一本通ります(図5をご覧下さい) |
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<図5> | ||
横糸が通った後、からみ縦糸は、また、下に引っ張られながら 元の位置に戻ります。(図6をご覧下さい) |
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<図6> | ||
この一連の動作の繰り返しをしながら、もじって織り上げていくわけです。 また、単なる無地の紗であればこれで構いませんが、 ここに、模様(紋)を入れながら織りますと、 紋紗というわけです。(さらに縦糸の上げ下げが複雑になります) ご理解いただけますでしょうか?^^ 要は、縦糸を上下だけでなく左右入れ替え、開口させることによって横糸を通し、 もじりながら織り上げられた生地、それが紗というわけです。 この縦糸の横移動。 単純に考えれば、通常の機装置では、不可能です。 縦糸の上下運動のあいだを横糸が通ることによって、 織物は織られるのが基本ですから、 それを可能にするには【フルエ】という装置が必要になります。 装置といっても、綜絖の一種なのですが、 詳しくなりすぎますので、このあたりで^^v 昨今、夏の着物、薄物は、すべて紗だと思われていらっしゃる方も多いようですが、 違いますので、ご注意くださいね。 平織りの薄物もありますし、変化させたもの、また、今回解説?しました紗、 さらには、紋様が織り込まれた紋紗まで、様々なのですから 次回、絽・羅の解説を予定していますが、。。。むずかしいですかねえ〜。。。 紗の解説、ご理解いただけたかなあ。。。? |
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